スロー親父の業績をもとにした中長期投資で重要なことは、適正なPERをどう考えるかということ。5年後の株価を予測して、投資対象となるかを判断しているが、予測株価はPERを幾らに想定するかで大きく変わる。
過去のPERを参考にするが、PERは将来の株価を織り込むので、過去のPERは参考にならないともいえる。
想定が難しいPERだが、今後も投資を続ける上で避けて通れない課題なので、現時点での理解をベースに無い知恵を絞って考えてみた。
PERの適正値はどう考えたらよいのか?
PERの適正値は、EPSの成長率により変わる。成長率が低いと適正なPERも低く、成長率が高いとPERも高いはずである。
PERとEPS成長率をセットで判断しなければならない。具体的にどうするかは、PERとEPS成長率のプロットで判断することが出来る。
参考)株価収益率 PER = 株価 ÷ EPS(一株あたり利益)
PERとEPS成長率プロット
スロー親父の想定は、EPS成長率が高い企業ほど買われて、PERが高くなっているという想定で、保有株の26社において、データをプロットしてみた。
実際にプロットしてみると、想定とは異なった。EPS成長率は過去10年と直近の3年の2つをプロットしてある。
EPS成長率が高くてもPERが低いものや、EPS成長率がマイナスなのにPERが高いものなどがある。一応保有株は成長性を考慮してあるので、過去10年ではEPS成長率はプラスのものが殆どだが、直近の3年ではEPS成長率がマイナスのものが多い。
株式投資は、論理的でない部分(人気投票)があるので、この様な結果になったと思われる。
このプロットからスロー親父は何か投資のチャンスは無いかと、知恵を絞って考えた。
グラフのAの領域はチャンス
グラフのAの領域にプロットされている企業は、EPS成長率が高いにも関わらず、PERが低いので今後株価が是正される可能性がある。また、PERは低いので株価が下落してもそれほど下がらないと考える。
何故この様な状態になっているかの一つの説明として、EPSが高くなったのに株価が上がっていないと考えられる。これはチャンス。
実際にAの領域にプロットされる企業として、レイズネクスト(6379)を紹介しているので、詳細はそちらを見てください。
グラフのBの領域はピンチ(要注意)
グラフのBの領域にプロットされる企業は、特に直近3年のEPS成長率がマイナスで、このまま成長が回復しなければ株価下落の可能性が高い。
この領域の企業の説明としては、EPSの成長がマイナスになったのに、株価は下がらずそのままと考えられる。
成長のマイナスが一時的であれば良いが、それが継続すれば株は売られ、株価下落でPERも低くなり論理的な範囲へシフトすると思われる。
まとめ
PERだけで判断は出来ない。PERとESP成長率をセットで判断する。
論理的にはEPS成長率が高いほどPERが高くなるはずだが、実際にはそうでない企業も多く、論理的位置からずれた領域にチャンスとピンチが存在する。
スロー親父はデータを分析しながら、極力リスクを避けた投資で、スローで穏やかなセカンドライフを楽しんでいる。