中長期投資のスロー親父は、株式投資の銘柄選定に、エクセルによる自作の株価予測ツールを利用している。
ここではそのエクセルファイルのダウンロードとその使い方を説明する。
株価予測ツールとは
株価予測ツールはシンプルで分かりやすく、株式投資でファンダメンタル分析をする場合、強力なツールとなる。
プロットしたグラフで視覚的に認識できるので、理解しやすい。
企業の過去の業績データと、2つの自己判断による仮定値で、5年後の株価を予測する。
株価予測ツール(エクセル)のダウンロード
サンプルファイル(9513_JPower)のダウンロードはこちらから出来ます。
入力値(実績)について
入力する実績データは、過去10年程度の業績データ、過去の配当実績、1年以内の四半期決算、本決算発表後2か月程度の株価、総資産、自己資本、純有利子負債、今後の営業利益率、そして今後の当期利益率の9つ。
入力値(実績):過去10年程度の業績データ
過去10年程度の業績データをコピペで張り付ける。使用していデータはマネックス証券の銘柄スカウター。
入力値(実績):過去の配当実績
配当履歴をコピペする。使用しているデータは銘柄スカウター。
入力値(実績):四半期決算データ
四半期決算データをコピペする。使用しているデータは銘柄スカウター。
今年度の業績を、四半期データから見積もる。見積もり方は単純に平均値を4倍している。
入力値(実績):株価データ
PERを計算するため、決算発表後株価が落ち着いたと思われる2か月後程度の株価データを手入力する。
私の場合過去の株価の読み取りを、野村證券の株価チャートを使用。
入力値(実績):総資産、自己資本、純有利子負債データ
財務状況を把握するため、総資産、自己資産とその比率、そして純有利子負債をコピペする。これは参考データで、株価計算には使われないのでなくても問題なし。使用しているデータは銘柄スカウター。
入力値(実績):営業利益率
過去3年分の営業利益率の平均を、今後の営業利益率の予測に使う。営業利益率は参考程度で株価予測には使われないので、利益率の変化や利益率が高いか低いかなど見ておく。
入力値(実績):当期利益率
過去3年分の平均値を入力する。但しこの値が株価予測にかなり影響するので、単純な平均値ではなく、利益率の変化も見ながら決める方が良い。例えば、明らかに利益率が良くなっている場合は、直近の利益率を使うか、変化率を考慮して決める。
利益率を変えると、グラフが自動的に更新されるので、グラフに違和感がないことも確認すると良い。
入力値(仮定)について
自己判断で入力する仮定値は、売上高成長率とPER予想値の2つだけ。
この2つの仮定値を変化させながら、株価の変化範囲を見ておけば、下落リスク対策となる。
入力値(仮定):売上高成長率
売上高成長率は、株価予測に大きく影響するので、過去の成長率を見ながら、自己判断で決める。
自動的に更新されるグラフを参考に、値を変えながら決めると良い。
原則この成長率がマイナスの会社は投資対象としない。
入力値(仮定):PER予想値
PER予想値は株価予測に大きく影響する。
PERの妥当な数値範囲は、企業ごと、業種ごと、そして利益の変化率で大きく異なる。人気のない業種はPERが低く、IT関連など現在人気の業種は、PERが大きい企業が多い。そして成長率が高いほど人気が上がり、PERが大きくなる。
今後のPERをどう判断するかが、株価予測の核心の部分。
この数値を変えながら、今後の株価の予測範囲を確認しておけば、株価下落時のリスク対策となる。つまり、低PERでも妥当な株価を予想して株を買えば、大きく含み損を抱えるリスクは小さくなる。
分析結果をどう使うか
分析結果は5年後の株価とその時の株価増加率になる。資金の有効活用の観点からは、株価増加率で判断することが大切。
例えば、5年後株価が28%増加する場合、年率5%になるので、投資対象に適していると判断できる。
仮定の入力値を変化させながら、株価増加率を見ることが大切。EPSの変化はグラフで見ることが出来るので、グラフに違和感がないか確認する。
配当もEPSのプロットと一緒に見ることにより、配当余力も一目瞭然。
売り上げ増加率と、EPSの増加率をグラフで確認することにより、分析結果の妥当性は高くなる。
まとめ
2つの仮定の入力値から、5年後の株価を予測できる、シンプルな分析ツール。
グラフプロットで視覚的に確認でき理解しやすい。
入力値を変化させることにより予測株価の振れ幅を知ることが出来、リスク対策となる。
中長期投資の初心者に適した株価予測ツール。