いつもワクワクを追い求めているスロー親父です。
今回は、映像事業(カメラなど)を切り離すというニュースが出た、オリンパスの株価について検討してみた。
オリンパスはカメラ事業で知っている人が多いと思うが、現在は医療分野の内視鏡事業で世界1位のシェアを誇り、それが売り上げの50%以上を占める。映像事業は売り上げで5.5%、利益はマイナスとなっていて、今回のニュースはその映像事業を切り離すということで、売り上げは減少するが、利益は増加すると思われるため、ニュースの翌日の株価は大幅に上昇した。
内視鏡事業が良好で、2019年3月には株式分割1:4が行われ、その後も株価は上昇を続けている。7月4日時点の株価は2006円でPERは51倍となっており、人気の高さがわかる。
さて、51倍のPERは買われすぎと思うが、現在の株価は適正なのか、そして5年後の株価をどう見るかを検討してみる。
映像事業を含めた過去5年間の売り上げの伸び率の平均は1%で、新たな新規事業でもなければ、売り上げが急激に増加するとは考えにくい。映像事業の切り離しで一時的に売り上げは下がるが、売り上げ比率は5.5%なので、ほぼ変わらないと言える。
売上高に対する利益率だが、過去5年の平均は5.7%だが、赤字の映像事業を切り離すことにより改善される。
PERについては、これまで人気もあり、最大200倍の時もあったが、いくら人気があっても投資対象と考えれば、30倍程度までが適正と判断する。
売り上げ成長率 | 1.0% |
当期利益率 | 7.0% |
PER | 30 |
5年後株価 | 1,339 |
5年後株価増加率 | -33.2% |
仮定に基づいた5年後の株価予測は1339円となり、現在の株価2006円は人気によるもので、業績に基づくものではないと言える。
仮に現在のPER50倍で計算すると、5年後の株は2232円で約11%増となる。5年間で11%では、あまり良好なリターンではない。
オリンパスは今年4月に次世代の内視鏡システムの発売を開始しており、その売り上げの伸び次第では、新たな成長があり得るかも知れないが、それがどの程度の業績貢献になるのかは、今のところ分からない。
スロー親父は、長期で業績と株価を見ながら、スローな投資を続けてゆきたい。