これまで30年以上テニスを続けてきて、楽しいかと聞かれれば、楽しいと即答できる自信はあるが、では具体的に何が楽しいかと問われれば、何と答えるだろう。
楽しかった記憶を思い出すと、一番目が仲間とテニスをした後に飲む酒と言えるだろう。勝敗に拘らず仲間とテニスを楽しんだ後に、シャワーを浴びてすっきりしてから美味しい料理とビール、そして他愛のない会話で過ごす週末の午後は、楽しいというより至福の一時だった。
次に思い出すのは、いい試合が出来たときとその結果として試合に勝てた時。中々勝つのは難しいが、力が互角の相手と接戦で勝てた時は、楽しいというより恍惚とした気持ちになった。自分がまだここまで出来るということを再認識して、自信が出てくる。
これら二つがテニスを続けている理由で、一つ目は明らかにテニスの楽しさと言えるが、二つ目は実際に試合をしているときは苦しいので、楽しいわけではない。試合後も楽しいというより勝てば心地よい疲れだが、負ければ悔しさが強く残る。
もう一つ3つ目に、テニスそのものが楽しいことを忘れていた。多くの人が忘れているように思うが、テニス自体の楽しさ。打った球が返球され、またそれを打ち返す、このラリーがずっと続けば良いのにと思えることが時たまある。これが試合だと普通、もう球は返ってくるなと思うわけだが、球が返ってこないテニスは、本当は楽しくない。
何歳までテニスが続けられるかわからないが、足腰が動くうちは続けるだろう。テニスを続けるためにランニングをしたり、筋力アップをしたりしている毎日は何と幸せなのだろう。